相続対策~相続税と遺産分割~
相続対策は大きく次の2つに分けられます。
- 相続税の対策
- 遺産分割の対策
相続税の対策
こちらは今ある資産をいかに税金がかからないように、ご遺族へ相続させるかという対策です。
よくいわれる対策としては、110万円ずつの生前贈与、孫を養子縁組、賃貸アパートの建設、タワーマンションの購入などがあります。
110万円ずつの生前贈与
贈与税というのは、贈与を受けた人を基準に課税されます。1年間に贈与を受けた金額が110万円以下であれば贈与税が課税されませんので、毎年、110万円ずつ贈与して、ご自身の財産を少しずつ後世に残していく方法です。
これは贈与する人はいくら贈与しても課税されませんので、たとえばお孫さんや息子さんのお嫁さん、娘さんのお婿さんなど、複数の人に贈与していくと効果的です。関係人が5人いれば毎年550万円ずつ贈与できるので、4~5年もおこなえば、2000万円以上の現金を、課税されることなく、ご家族へ移すことができます。
孫を養子縁組
相続税は、残されたご資産が一定の金額(基礎控除額)を超えたときに課税されます。
基礎控除額のおおまかな計算式は、5000万円+1000万円×法定相続人の数、です。
単純に、法定相続人の数が多くなれば、それだけ基礎控除額が増えるので、相続税が課税される金額が少なくなるという考え方です。
ただし、この制度が乱用された時代がありましたため、現在は国税庁が制限を設けており、
- 実子がいる場合は養子1人まで
- 実子がいない場合は養子2人まで
が基礎控除として認められます。
また、養子縁組をおこなうことに不当性がある場合は、控除が認められない場合もあります。
養子による対策は、身分関係にも大きな影響を及ぼしますので、慎重な検討が必要といえます。
※なお、上記の基礎控除額は、平成27年1月1日以後発生の遺産相続については、3000万円+600万円×法定相続人の数となります。
賃貸アパートの建設
土地をお持ちの場合、その土地の評価額を下げることが、相続税対策となります。
更地だともっとも評価が高いので、建物を建てることで評価が下がります。
また、同時に建築費用をローンで借り入れすれば、その分も遺産総額から控除されますので、相続税対策になります。
ただし、建築後にアパート経営が赤字になるようであれば本末転倒ですので、あくまでも不動産投資の一環として、アパート建築が有効であると判断される場合に、相続税対策としても有効になる手法ですので注意してください。
タワーマンションの購入
こちらはなぜ相続対策になるのかと、首を傾げる方もいらっしゃるかも知れません。
これは、一般的な流通価格と、税評価上の価格の間に乖離があることを利用した手法となります。
タワーマンションは高層階になるほど価格があがりますね。
また近年では立地によっては転売するときに購入価格と変わらない、もしくは価格が上昇するような物件も現れるようになりました。
ところがいざ相続の課税評価では、建物に対する税評価が低いため、タワーだろうが低層だろうが、同じ課税価格の枠内で計算されます。
実勢価格が1億円でも、税評価は2000万円なんてことも起こりえます。
現金で1億円相続すると全額に課税されますが、現金1億円をタワーマンションに「交換」すると、そのうち2000万円にだけ課税される、というからくりです。
ただし、不動産は値動きがあり、かえって大損してしまうリスクもありますため、利用の際には慎重な検討が必要になります。
相続税対策の基本は、いかに高価な資産を、税法上低額な資産に変化させるか、ということ
日本国内において、誰もが同じ価値を認めるのは現預金です。
税評価も同額なので、これをいかに減額させるかが相続税対策の基本となります。
これまで述べてきたように、生前贈与またはお金を消費することで資産を減らす、というのも対策のひとつです。
ところが不動産や貴金属、さらには趣味のものや金(きん)などの現物資産などは、その時々によっても価値が変わりますし、ものによってはそれを利用する人の価値観によってもぜんぜん違う評価となるものも世の中には存在します。
もっとも効果的なのは、流通・換金が容易で、資産価値の増減が激しくなく、税評価の低い資産を入手すること、お持ちの金銭をこういった特殊な資産に変えること、です。タワーマンションなどもこの類です。
そうはいっても万人が価値を認めるものでは相続税対策になりませんので、相続人の嗜好や利用の程度から、相続税対策に適したものを探すことが、まずは第一歩になるかとおもいます。
当センターでは、相続税対策を検討されている方々おひとりおひとりに適した対策を検討し、サポートさせていただきます。
遺産分割の対策
意外と見落としがちになってしまうのが、残されたご遺族の遺産分割の対策です。
相続税対策は、遺産分割が円満に進むことが絶対の前提条件ですので、ここが頓挫すると、せっかくの税対策はすべて無効になってしまいます。
ご遺族のご心情に配慮して、なおかつご自身の心境をきちんと反映させられるように、周到な対策が必要となります。
遺言書の作成
現在の日本の法律では、遺言書がもっとも有効な遺産分割対策となります。
そもそも遺産分割をおこなわず、遺言書だけで遺産相続を完結させることも可能になるほど、強力な効果をもつ法律文書が、遺言書なのです。
遺留分の問題や、ほか相続人の心情を必要以上に害さないようにするなど、十分な配慮が必要ですが、残されるご遺族のためには、ぜひとも作成いただきたいと思います。
詳しくはこちらもご覧ください。 >>遺言書の作成
生前の家族会議
もしご家族の過去にわだかまりがあり、うまく解消されていないとしたら、いつまでもうやむやにせずに、きちんと顔を合わせて、お互いの思いやお気持ちをお話し合いすることが、もっとも効果的で、これ以上の手法はないと思われます。
子どもさんといまさら顔を合わすことに抵抗があるかもしれませんが、ここは大事なこととして、なんとか決断していただきたいです。
顔を合わすことが容易な間柄であったとしても、ふだんから思っていること、ましてお金の話などは、なかなか話し合う機会はないと思います。
こういった家族会議は一度ですべてを終わらす必要はありませんし、むしろ一度で終わらせられるようなものでもありませんので、
面倒がらず、照れたりせずに、何度となく、入念なお話し合いの場を持っていただきたいと思います。
- 子どもさんの心の問題
親として分け隔てなく子どもたちを育てられたとお考えされていたとしても、当のお子さんたちにしてみれば、兄貴のほうがかわいがられた、妹のほうが何かと良くしてもらっていた、という不公平感を持たれているケースは意外と多いです。
当センターの経験上、遺産相続がもめてしまう背景の多くは、こういった感情の行き違いから生じていると実感しています。
もう昔のことだから、子どもといってももう大人なんだから、などと安易に考えるのではなく、こちらもきちんと向き合って、お話をされてください。
相続対策~相続税と遺産分割~プラン【完全】サポート 料金表
サービス内容
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料 金
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相続対策~相続税と遺産分割~プラン 完全サポート
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10万円~
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- ご相談者様の実現されたい想いを形にします。
- 法律、税金、不動産、保険、医療介護、あらゆる分野に精通した専門家があなたに最適なプランをご提案いたします。
- 具体的な相続対策・相続税対策の内容や作成するべき文書等の内容について、プランを作成していきます。
- 相続対策・相続税対策プランの具体的な実行にあたりましては、別途費用が必要となる場合があります。