第三者後見人の活用
成年後見人の候補者として、親族以外の第三者を立てることができます。
平成24年の統計によると、成年後見人に選任されるトップは「子」、ですが、
「子」に配偶者や兄弟姉妹等の「その他親族」を含めた「親族等」は、全体の48.5%、
「司法書士」「弁護士」「行政書士」等の「親族以外の第三者」は、全体の51.5%、となっています。
後見人の業務の過酷さ
親族後見人が減少している背景には、その責任の重大さがあると考えられます。
まず、一度後見人に就任すると、本人の症状が回復するか、本人が亡くなるまで、原則として後見人をやめることができません。
後見人はその事務内容を定期的に家庭裁判所に報告する義務もあり、この労力がとても大変なのです。
申し立てをすれば、本人がお持ちのご資産の中から、後見人業務に対する報酬をもらうこともできますが、ご親族で就任された場合は、他のご親族の手前もあり、なかなか報酬の請求がしにくいのではないでしょうか。
また、報酬といいましても、月額基本報酬は1~2万円です。
(参考URL http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/130131seinenkoukennintounohoshugakunomeyasu.pdf)
第三者である専門家に依頼するメリット
- ご親族の後見人としての業務負担が不要
- 他の親族から、横領などのいわれのない不信を抱かれることがない
- 金銭管理や介護施設との契約等、わずらわしい業務はすべて専門家にまかせることができる
第三者である専門家に依頼するデメリット
- 本人(被後見人)の財産に対する融通は一切きかなくなる
- 他の親族から、なぜ他人にまかせるんだと無責任な誹謗を受ける可能性がある
- 後見人に支払う報酬が発生し、本人(被後見人)の財産が減少する
ご親族が本人(被後見人)に対するよこしまなお気持ちが一切なく、他のご親族の了解も得られるのであれば、はじめから専門家である第三者への依頼をご検討されるのが、ご家族にとっても一番ご負担が少ないかもしれません。
ご家族の役割は、本人の心の支えとなることですから、介護や後見人となることが過度なご負担となり、本来の役割りである心の支えになってあげることができなくなってしまうようなことがないように、さまざまな制度や専門家を活用してもよいのではないかと思います。
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